場所:東京都墨田区
年度:2015年
設計・監理:株式会社日東設計
事業主:都市再生機構東日本支社
外装色彩計画:クリマ
1974年 (昭和49~50年)に建設された、全5棟、1589戸の大規模団地。敷地中央に大きな公園広場や運動場、また東武亀戸線東あずま駅に程離隔、亀戸駅も徒歩圏内であることから、利便性の高い環境として若い子育て世代に向けての
既存の環境はほぼ全棟1色で塗装されており、全体的な統一性は感じられるものの、やや人工的で無味乾燥な印象が強調されていた。また、棟ごとにサインカラーが割り当てられ、団地内の案内サインやエントランス付近の号棟表示に展開されているが、やや面積が小さく認識し辛い状況であった。
こうした現状から、単調さを緩和するための建築の形態・意匠を活かした配色と、サインカラーの色相を外装にも取り込むことで、より機能性の高いわかりやすい空間の形成を目指した。
また、敷地中央の公園の大きなケヤキが、四季折々の景色をつくっていることを考慮し、広場に面した側ではバルコニー手摺に施したグラデーションパターンを上部から下部へと明るくし、逆に敷地の外周に対しては上部ほど明るくなるグラデーションパタンとしている。このような場と形態の特性に合わせた変化の創出により、広場側のケヤキの列植がつくりだす低層部の景色と、周辺を行き交う地域の人々に対する適度な変化がバランスよく両立させている。
基準階共用部では各棟のサインカラーを積極的に展開し、老朽化していたサイン(階数・室名表示)を壁面デザインと一体化させることにより、予算化されていなかったサイン工事を色彩計画に取り込むことを試みている。
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