場所:中華人民共和国四川省
年度:2014年~2015年
調査研究及び都市色彩計画:西蔓・CLIMAT
2007年から協働している中国西蔓色彩事務所とのプロジェクト。約10年の間に、36のプロジェクトに携わっている。
四川省成都市にある都江堰市は、高山地帯であり、山地と丘陵地が全体面積の約66%を占めている。
1992年に世界文化遺産に登録された都江堰は、秦漢時代の水利施設であり、2000年間にわたり四川省の広大な範囲の治水を守り続けている。
都江堰市は2008年に起きた四川大地震で大きな被害を受けた。
市では新しい街区の住宅開発を行う際、海外の建築やランドスケープのデザイナーを採用した例も多く、10年未満の間に災害からの復興のみならず、新しいまちなみの創造も実現されている。
一方、四川には川西風格と呼ばれる四川の伝統的な住宅様式があり、雨の多い四川の気候に合わせ、傾斜屋根と湿度を調節する木や土壁を用いることで過ごしやすい住居をつくってきた。
すっきりとした白い壁は、上品な印象であり、反射により少ない日差しを効果的に取り込むことに役立っていたそうである。
都江堰市にはこの傾斜屋根・褐色の窓周り・白い壁という3つの要素を現代の様式に展開した住宅が数多く見られた。
現代住宅の色調は伝統的なものとは大分印象が異なるものも多かったが、本プロジェクトでは様式の持つ意味を再考し、現代の住宅においても素材が持つ色を基本とすること等を提案に盛り込んだ。
都市計画局の局長(当時)は「震災で様々なものが失われ、再生しようとするとき、目指すべき目標を失ってしまった部分もある」と話されていたことが今も記憶に強く残っている。
- 世界文化遺産に登録された都江堰は2,000年以上の歴史を持つ。現在でも 5,300 km² に及ぶ範囲の農地の灌漑に活用されている。
- 世界文化遺産に登録された都江堰は2,000年以上の歴史を持つ。現在でも 5,300 km² に及ぶ範囲の農地の灌漑に活用されている。
- 世界文化遺産に登録された都江堰は2,000年以上の歴史を持つ。現在でも 5,300 km² に及ぶ範囲の農地の灌漑に活用されている。
- 世界文化遺産に登録された都江堰は2,000年以上の歴史を持つ。現在でも 5,300 km² に及ぶ範囲の農地の灌漑に活用されている。
- 世界文化遺産、青城山は中国の道教の発祥地の一つで、道教の名山にも属している。
- 世界文化遺産、青城山は中国の道教の発祥地の一つで、道教の名山にも属している。
- 世界文化遺産、青城山は中国の道教の発祥地の一つで、道教の名山にも属している。
- 市街地の新しい風景。都市化と共に建築物の大規模化・高彩度化が進みつつある。
- 市街地の新しい風景。都市化と共に建築物の大規模化・高彩度化が進みつつある。
- 四川大地震以後に開発された新しい別荘地や集合住宅群。
- 四川大地震以後に開発された新しい別荘地や集合住宅群。
- 四川大地震以後に開発された新しい商業エリア。屋外広告物の規制も徹底している。
- 古い民家兼商店。煉瓦造に木造を増築したものと考えられる。
- 川西風格の3要素を展開した集合住宅。妻壁の格子は、かつての木造住宅の梁・柱型を意匠として表現したものである。