場所:福岡市南区
年度:2013年
事業主:都市再生機構九州支社
外装色彩計画:株式会社汎建築研究所九州事務所+クリマ
既に改修済みの分譲棟である寒色系の1号棟との調和に配慮しつつ、先に改修済みだった暖色系のエントランスとの調和にも配慮したデザインを検討した。
1号棟と同じ街区にある2号棟と3号棟は、1号棟の配色が不自然に見えないようにアクセントの寒色とトーンを合わせた暖色を同じ部位に展開した。1号棟は、基調色は彩度0.5-1.0程度の暖色に、サブカラーとして5PB 5/2程度の寒色を展開していたが、2号棟と3号棟は「色相調和型配色」を基本としている。2号棟はY(イエロー)系で揃え、3号棟は赤味寄りのYR(イエローレッド)系で揃えている。各住棟の色相は、先に改修済みだったエントランスの外壁色の色相と調和する色相を選定した。
Y(イエロー)系を展開している2号棟では、アクセントカラーに中間色のG(グリーン)系色彩を展開し、1号棟の寒色と緩やかな一体感を演出している。
1号棟から3号棟のある街区とは、通りを挟んで北側に位置する4号棟と5号棟に展開する色彩は、2号棟と3号棟で使用している色彩を基本とし、団地全体の一体感の創出に努めている。計画対象となった全4住棟はいずれも、基壇部にやや明るさを抑えた中明度を展開し、安定感を演出するとともに、エントランス周りではやや色味のはっきりしたアクセントカラーを展開し、親しみやすさとエントランスをわかりやすくするためのサイン性を重視した。