所在地:千葉県千葉市美浜区
年度:2010年
事業主:野村不動産株式会社 他
設計・監理:株式会社南條設計室
デザインコラボレーションによる色彩計画:クリマ
幕張ベイタウン最終区の計画は、前回よりもさらに設計者主導型の計画となった。
私達は設計者から候補として挙げられた数種の素材・色彩に対して、それらの対比の程度やタイルの色巾の加減などの調整に参画した。
本計画では街としての成熟期を迎えつつある幕張ベイタウンにあって、時と共に魅力を増す宅としての在り方が求められ、素材・色彩の決定においては、10年・20年・さらにその先というように、長い時間の経過が見据えられている。
その結果、最終的には素材・色彩共に、ごく穏やかな素材感と色合いが選定された。
建物外装はガラス手すりを基本としたモダンな表現を行いつつも、妻壁や基壇部には豊かな色巾をもつ特殊面状タイルを展開し、光の加減により繊細に変化するファサードを形成している。
中庭やエントランス前に配された樹木は竣工の時点で既に大きく枝を広げており、春を迎え若葉が芽吹くころ、あたりは新緑に包まれることであろう。
穏やかな暖色系の低彩度色を基調とした住宅は、生命力あふれる豊かな緑もそのファサードの一部である。この街や住まい手と同じように、ゆっくりと時間をかけて成長していく。