西新井 10YRのまち


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場所:東京都足立区西新井

年度:2007年

色彩ガイドライン制作:クリマ
地域の資源を“紡ぐ”
かつて紡績工場があった西新井駅西口地区では「地域の資源を紡ぐ」というデザインテーマの下、「まちの個性」 「まちのうるおい」 「まちの調和」 「まちの賑わい」が織りなす新たなまちが生まれつつあります。
あたらしいまちづくりは、建築・色彩・照明・サインのデザインについての方針を示した「西新井駅西口地区景観形成デザインガイドライン」に沿って進められています。
色彩の分野では規模も形状も異なり、用途も様々な建物の外装基調色を10YR (イエローレッド)系の中・低彩度に統一することで街区全体の一体感を形成図ろうと考えました。

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デザインガイドラインには外装色彩の範囲やマテリアルについての指定が明記しています。

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模型や実際に使用するマテリアルを前に調整を行いました。

“10YR”の外装基調色
10YRは、地区の周辺にある建物の色彩の中心的な色相であると共に、自然景観の中で不動の大きな面積を占める土や砂、樹木の幹等の色彩の中心的な色相でもあります。
そのため外装色の色相を10YR(イエローレッド)系に統一することで、地区周辺の環境と調和すると共に、植栽された樹木や花等とも調和した景観を創出しています。

またガイドラインの中では、外装色彩に対する明記に加え、デザインコードとして各街区の建物に釉薬タイルや煉瓦といった素材を建物の低層部分に展開することを謳っています。

外装の基調色は全て10YRで統一されています。

地域に蓄積されてきた素材 “釉薬タイル”
これらの素材は、地区周辺の庶民的な下町情緒の残る街並みに多く見られた素材です。
地域に蓄積された素材を地域の記憶や資源として継承していくことで、まちの個性を育てていくことが試みられているのです。
実際に計画を進めていく中では、事業者とガイドラインの作成者である都市再生機構と、建築のみならず植栽や外構、照明等のデザインについても協議する場を設け、細かい調整を行っています。

良好な都市景観を形成する為には、ガイドラインを作成するだけではなく、今回のようにガイドラインが有効に機能するようなシステムを設けることが有効なのではないでしょうか。